「マンガでやさしくわかるインバスケット思考」感想
はじめに
社会人になって、数年、判断力を求められることが多くなった。
そんな経験をしている人は多いのではないか。
そこで正しい判断が出来ずに上司や顧客に怒られたり、部下に舐められたりした経験は誰にでもあると思う。
そこで役立つのが「インバスケット思考」と呼ばれるものだ。
インバスケット思考とは
インバスケット思考は「限られた時間・架空の立場で案件を処理するビジネスシミュレーションゲーム」である。
インバスケット思考の特徴
絶対的な正解がないことが特徴と言える。
そもそも判断の良し悪しは測定できない。
なぜならその人が良いと思えばその判断は良くなるし、悪いと思えば悪くなる。
だが、その判断に行き着くまでのプロセスは評価できる。
インバスケット思考で得られること
以下の3点が得られる。
- 正しい優先順位設定ができる
- 本質的な問題解決力がつく
- 正しい判断の方法が身につく
では、それぞれ内容を見ていく。
1.優先順位の設定
優先順位はどうやって決めるのか。
それは「何をしないのかが重要」である。
ではそれをどうやって決定するのか。
主観的な判断からどうやって抜け出すのか。
以下の2つの観点で導き出せる。
- 緊急度
- 重要度
緊急度は時間軸であり、期限や納期である。
重要度は案件を処理しないときに発生する影響・リスクである。
優先順位は以下の順位でつける。
- 緊急度・高 ✕ 重要度・高
- 緊急度・低 ✕ 重要度・高
- 緊急度・高 ✕ 重要度・低
- 緊急度・低 ✕ 重要度・低
大事なのは2番のものである。
緊急度が高を優先にしてしまいがちであるが、場当たり的な暫定的な対応になってしまう。
根本対応に注力すれば3番は減少していくためである。
2.問題解決力
問題の解決力を高めるには以下の6つがある。
- 問題や課題を発見する
- 事実を確認する
- 枠組みを外して考える
- 洞察力を磨く
- 組織を活用する
- 当事者意識を持つ
1番目で言えることは「見える問題」と「見えない問題」を認識することである。
目の前で発生している裏の根本原因として見えない問題がある。
そこにフォーカスすることが大事である。
2番目で言えることは事実を正確に定量的に確認することである。
定性的な情報では判断する際のノイズになってしまうため、定性情報を定量情報へと変換してやる必要がある。
3番目で言えることはブレストでよくある否定をせずに受け入れることである。
最初から出来ないと決めつけずに一旦アイディアを飲み込むことが大事である。
4番目で言えることは様々な視点を持つことである。
それには「鳥の目(全体を俯瞰する)」「魚の目(流れを読む)」「虫の目(細部まで見つめる)」で見ることが大事である。
5番目で言えることはひとりではなく、チームで人を巻き込んで仕事をすることである。
それは一人の力はたかが知れているからだ。
6番目で言えることは主体的に物事に取り組むことである。
それによって一見自分には関係ないことでも異なる領域でつながったりするためである。
3.判断の方法
冒頭で言ったようにインバスケット思考で評価されるのはプロセスである。
それは以下の7段階の判断のプロセスがある。
- 問題発見
- 仮説・情報収集
- 対策立案
- 調整
- 意思決定
- 行動
- 適任者決定
プロセスを評価するために必要なことは客観的で明確な根拠で比較することである。
また、判断をするタイミングは「判断をしたときのリスクとしなかったときのリスク」で考える。
おわりに
自分には能力がないとか仕事が出来ないとか悩んでしまう。
だがそれは能力を発揮できていないだけだ。
このインバスケット思考を使って意思決定のプロセスを明確にすれば改善できる。
最後に重要なことは最終的な判断は自分の責任でやることである。
他人に丸投げしないことが大事だ。